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タイトル著者・訳者発行定価
エネルギーと私たちの社会New!
飯田哲也 訳
新評論
2000円(税別)
北欧のエネルギーデモクラシー
飯田哲也 著
新評論
2400円(税別)


New! (2002年4月21日)
エネルギーと私たちの社会
デンマークに学ぶ成熟社会

2002年4月20日 発行
著者:ヨアン・S・ノルゴー、
    ベンテ・L・クリステンセン
訳者:飯田哲也
イラスト:クラウス・デローレン
発行:株式会社 新評論
206頁 定価2000円(税別)
お申し込み
定価2000円+送料
環境エネルギー政策研究所
〒1604-0001
東京都中野区中野4−7−3
TEL:03-5318-3331/FAX:03-3319-0330
E-mail:isep@isep.or.jp
URL:http://www.isep.or.jp

目次
紹介
推薦のことば(坂本龍一さん)
訳者のことば(飯田哲也)

◆目 次◆

訳者まえがき
日本のみなさまへ
第1章 高エネルギー社会と低エネルギー社会
第2章 「もう十分」それとも「もっと」?
第3章 仕事と技術
第4章 衣・食・モノ
第5章 住まい
第6章 熱を逃がすな
第7章 家具と家電製品
第8章 素敵な電気
第9章 サービスの利用
第10章 クルマ、それとも・・・
第11章 エネルギー消費の全体像
第12章 政治とエネルギー消費
第13章 そして、20年後・・・
     あれから何がおきたか
     低成長経済とその対応
     暖房熱の省エネルギー
     省電力プログラム
     環境配備のかけた交通
     持続可能なエネルギーに向けて
訳者あとがき
さくいん

新刊本の紹介
環境エネルギー政策研究所・企画シリーズ第一弾

 この度、環境エネルギー政策研究所では、世界的に著名なデンマーク在住の省エネルギーの専門家:ヨアン・ノルゴー氏の名著『Managing Energy, Managing Home』(英題)、『Energihusholdning, Husholdning, Holdning』(原題・デンマーク語)の日本語版「エネルギーと私たちの社会」を企画・翻訳、新評論社より出版いたしました。
 ノルゴー氏は、1970年代初頭から、環境的に持続可能な社会は必然的に人間的な社会へと近づくものであり、その実現には、現在の「高エネルギー社会」を「低エネルギー社会」へと転換していく必要があるとして、技術的、定量的な分析結果から、低エネルギー社会へと進んでいくことが十分可能であると訴えてきました。このような氏の思想は、エイモリー・ロビンズを始め、多くのエネルギー学者に大きな影響を与えています。
 ノルゴー氏の著作の邦訳出版は今回が初めてです。氏の多数の著作の中でも、一般向けの本書が、エネルギー政策の必然的転換を迫られている現在の日本で出版されることに大きな意味があると、ノルゴー氏ともども、わたしたちは考えています。
 是非、ご購入下さいますようよろしくお願いいたします。図書館等へのリクエストも大歓迎です。

●推薦のことば(坂本龍一さん)

 「すばらしい本だ。これが20年前のデンマークで書かれたということが全く気にならないどころか、現在の日本や世界の様々な国で、まさにこれから必要とされる本であることはまちがいない。
 著者が提唱する「高エネルギー社会」と「低エネルギー社会」という選択は、現在ますます重要性を増している。なぜなら世界が「高エネルギー社会」を選択すれば、資源の枯渇、環境汚染の拡大、大事故の危険性の増加、資源をめぐる紛争などが生じ、いずれ限界にぶつかり、これ以上成長することはできなくなる。経済成長を促す趨勢が、皮肉にも成長を許さない事態を招いてしまうのである。
 世界は無限の経済成長ではなく、足ることを知り、生産と消費をおさえ、持続できる世界を選択する以外に、生き残ることはできないことは明かだ。そのように考える人が増え、政治を動かし、国のエネルギー政策や企業の方針などを変えていくことができるように、この本がたくさんの人に読まれることが望まれる。
最後に、添えられているイラストがとてもユーモラスで、しかも議論の内容を深く理解していることがうかがえるもので、秀逸だ。」

●訳者のことば(飯田哲也)

 50年後はどのような社会だろうか。モノに溢れ格差の大きい「豊かな社会」 か、それともゆとりと社会的公正で「満ち足りた社会」か。本書は、「高エネルギー 社会」と「低エネルギー社会」という2つの未来像を対比しながら、50年後に私たちの暮らしと社会がどのように変わりうるかについて、暮らしを取り巻くエネルギーを 通して描き出したものである。「高エネルギー社会」とは、国内総生産(GDP)成長のために物質的な生産と消費が今後も拡大される社会である。「低エネルギー社会」とは、人々が満ち足り、社会的公正や人々との交際、ゆとりなどに価値を見いだす社会である。
 本書は20年前にデンマークで出版された。当時のデンマークは、1960年代からの高成長ののちに2度にわたる石油危機でエネルギー政策の変更を余儀なくされていた。経済成長を維持するために原子力を大量に導入しようとする政府と、それに反対し自然エネルギーを求める市民運動が鋭く対立していたところに、本書は「もう十分ではないか」という第3の選択肢を提起してベストセラーとなった。その後、成熟社会へと大きく転換したデンマークのエネルギー政策に、本書は大きな影響を与えた。
 当時のデンマークに今日の日本は2重写しとなる。経済成長のために、政府は返すあてもない借金で無駄な公共事業を拡大し、「空から金をばらまいて」まで消費を促す経済学者もいる。そうした経済成長社会が必ず行き詰まることを本書は教えるばかりか、すでにワークシェアリングなどの処方箋も提示している。
 持続可能な社会に向けて、私たちが自分自身の暮らしを見つめ直し、価値観を問い直し、同時に社会に働きかけていくことによって、一人一人の力で社会と未来を大きく変えることができると著者は指摘する。常に「上」から、そして「供給側」からエネルギーが語られる日本では、中高生から大人まで本書は類書なきエネルギー入門書となるだろう。クラウス・デローレンの挿絵も楽しく機知に富んでいる。本書は、現代の日本社会にこそ必要とされている「未来書」である。 (いいだ・てつなり 環境エネルギー政策研究所所長)



北欧のエネルギーデモクラシー

2000年3月15日 発行
著者:飯田哲也
発行:株式会社 新評論
262頁 定価2400円(税別)
お申し込み
定価2400円+送料
株式会社 自然エネルギー.コム
〒164-0001
東京都中野区中野4-7-3
TEL:03-5318-3334/FAX:03-3319-0330
E-mail:green@greenenergy-j.com/

目次
推薦のことば(評論家 内橋克人さん)

◆目 次◆

はじめに
第1章 「風力電車」が走る!
第2章 「化石燃料ゼロ」を宣言した町
第3章 脱原発に挑戦するスウェーデン
第4章 スウェーデンのエネルギー未来像
第5章 原発を拒否したデンマークのデモクラシー
第6章 デンマークのエネルギー未来像
第7章 風車を共有する人々
第8章 自然エネルギー自給を目指す島々
終 章 不安の時代を超えて
あとがき
参考文献
索引

●推薦のことば(評論家 内橋克人さん)

「新たな人間知性」の輝き
 一国の「エネルギー政策」がどう形成されているか、を知れば、その社会の民主的成熟度を測ることができる。本書の書名からも明らかなように、飯田哲也さんはエネルギー問題について優れた専門家であるばかりでなく、北欧諸国の先進的な制度設計を窓としてデモクラシーの真のあり方を追究している。
 私たちは本書に示された「新たな人間性の輝き」に触れることで初めて次の世紀への胸はずむ燭光を見ることができるだろう。
 エネルギーを考えることは民主主義を考えることであり、本書こそは至上の教科書である。



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